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子育てお悩み Q&A

妊娠、産後の悩み

    
Q1

夫の服薬、胎児への影響はありますか?

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3月に結婚したばかりですが、妻と早く子どもがほしいという話をしています。ただ、この時期は私が花粉症の薬を飲んでいます。夫も薬を飲むと妊娠や胎児に影響するのでしょうか?(福井市・20歳代男性)

A1

ご結婚おめでとうございます。可愛らしいわが子の誕生、待ち遠しいですね。

さて、男性が服用した薬の妊娠や胎児への影響についてですが、女性が薬を服用した場合の影響に比べると、とても少ないとされています。

男性が薬を服用した場合の影響については2つの要因が考えられます。1つは、直接、精子へ影響する場合です。精子が作られ受精に関わるまでは約74日前後かかると言われています。ですから、受精の1~2日前に服用した薬の影響は考えにくく、影響があるとすれば、受精前3ヶ月以内に服用した薬と考えられます。しかし一般的には、仮に薬による影響を受けたとしても、その精子は受精に辿り着けないか、受精しても十分に成長出来なかったりして淘汰される可能性が高いと考えられています。

もう1つは、男性が服用した薬が精液を介して女性側へ移行する場合です。ごく一部の薬、例えばC型慢性肝炎治療薬の中には、精液を介して女性に移行するため、パートナーが妊婦の場合、コンドームの使用が指導されている薬があります。この薬は動物実験で胎児や精子に影響があることが報告されており、避妊が義務付けられています。

この様に、ほとんどの薬では男性側の薬の服用は問題ないとされていますが、ごく一部の薬では男性側も注意が必要な場合があります。現在服用しているお薬でご心配なことがあれば、医師または薬剤師にご相談下さい。

(五十嵐 久美 / 薬剤師)

Q2

妊娠中の妻を支えるために、夫は何ができますか?

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妻が妊娠中でつわりもあり、ちょっとしたことで怒ったり、泣いたりと気持ちが不安定なことが多いです。どういう関わり方をしていけばいいのか分からず、あまり支えになれていないのですが、妻が喜び、妊娠期もともに胎児を育てていくにはどうしたら良いでしょうか。(福井市、30代男性)

A2

つわりで辛い妻を思いやるご主人の温かい気持ちが伝わってきます。

妊娠が分かってうれしい反面、多くの方がつわりの症状に苦しんでいるのではないでしょうか。

一般的につわりは妊娠4~7週頃に始まり12~16週頃に終わるといわれています。ピークは8~9週頃と言われていますが個人差があります。

食べ物の好みが変わる方、頭痛・めまい・発熱などの症状に悩まされる方、「ずっと二日酔いが続いた状態だった」と表現される方など様々です。

においに敏感になるので、料理を作ることが苦痛になる方もいます。 ストレスはつわりを重くすると言われているので家事や仕事を完璧にしようと思わず、自分のペースを作り動くと良いでしょう。出産経験者の殆どの方が「つわりは先ず無理をしないことが大切」と話します。

家族の方は、妊婦さんが眠い時は眠り、食べたい時に食べたい物を少しずつ食べ、水分をこまめに摂れる環境を作ってあげましょう。また、背中を軽くマッサージするのも良いようです。

身も心も辛い時期ですから、ご主人・ご家族の協力が妊婦さんには心強い支えになるでしょう。夫婦に与えられる「協力し合って乗り越える道」が妊娠・出産ではないでしょうか。つわりを前向きに捉え、協力し合って家族で乗り越えましょう。

(阪井 幸子 / 助産師)

Q3

赤ちゃんの病気について、出産前に準備しておくことは?

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妊娠8カ月で、もうすぐ初めての赤ちゃんを産みます。最近、出産後の子育てを少しずつイメージするようになりました。乳幼児がどんなときに、どんな病気にかかりやすいのか、どんなふうに対応したらいいのか、出産前の今の時期にどんなことを勉強しておいたらいいのか、何か準備できることはあるのか、教えてください。(鯖江市、20歳代女性)

A3

初めての出産を控えて、期待と不安な時ですね。少しでも情報があると安心しますね。

赤ちゃんの病気の始まりは、色々な症状があります。病気とはいいがたいですが、退院後出やすい症状として湿疹がみられる事があります。赤ちゃんは皮膚の代謝や皮脂の分泌が盛んになり汚れやすくなるので、ベビー用の刺激の少ない石鹸を使って身体だけでなく顔も洗ってあげて下さいね。

発疹、嘔吐、咳、鼻水、下痢、便秘など目に見える症状は気がつきやすいでしょう。発熱(37.5℃から38.0℃以上)、尿量の減少、いつもと違う感じ、機嫌が悪い、ぐったりしている、飲みが悪いなどの症状がみられた際には、医師の診察を受けましょう。

また日ごろから相談できるかかりつけの先生を決めておくのも一つの方法ですね。

赤ちゃんの状態を良く知っているかかりつけの先生に予防接種の相談をするのもよいでしょう。

夜間や休日にお子さんの病気で困る事がある時は、福井県こども急患センター(0776-26-8800)や受診に迷う時は、電話相談(#8000)に相談することもできます。

子育ての悩みや不安は、一人で思い悩まず家族や友人に相談しましょう。またそれぞれの地域の子育て支援センターなどの活用をお勧めします。

赤ちゃんと過ごす時は楽しい気分で接して下さいね。お母さんの笑顔を見た赤ちゃんも嬉しくなると思いますよ。

(滝内 博美/ 助産師)

Q4

胎児にカフェインの影響はありますか?

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妊娠2カ月の妊婦です。妊娠が発覚してからはカフェインレスのコーヒーを飲んでいますが、それまでは普通のコーヒーを飲んでいたため、胎児への影響が心配です。また、カフェインレスでも数%カフェインが入っていることがありますが、何杯も飲むと良くないのでしょうか。(福井市、30歳代母親)

A4

私達が飲食している食品・飲料、そして医薬品や医薬部外品の中にはカフェインが含まれているものがあります。例えば、コーヒー、お茶、チョコレート、コーラ、紅茶、ココア、ガム、薬局・薬店で購入できる総合感冒薬、鼻炎薬、頭痛薬、ドリンク剤など。

カフェインという成分は、脳に作用して眠気を覚ましたり、倦怠感を解消したり、利尿作用や胃酸分泌を促したりもします。成人でカフェインの1日の限度となる量は、800~1500mgですが、妊娠授乳期の方は300mgまでといわれています。コーヒー1杯あたりのカフェイン量は、60~100mgですので、一般的に個人差はありますが、胎児への影響は心配なさらなくてもよろしいかと思います。

ただ、カフェインを妊娠授乳期の方が摂取すると、胎盤を通って胎児や母乳に移行することがわかっています。その結果、胎児にどのような影響があるかは、まだはっきりとわかっていませんが、一度に多量に摂取することはあまり良くありません。参考までに、カフェインを含む食品としては、お茶で15~180mg、コーラで35mg、紅茶45mg、チョコレート20mg、ドリンク剤は50mg、総合感冒薬・鼻炎薬は25~150mg、頭痛薬は50~80mgです。ノンカフェインコーヒーでも1mgぐらいのカフェインは含まれているそうです。

最後に、コーヒーや紅茶の飲みすぎには注意して、リラックスした時間を持ち、気持ちを和らげて妊娠授乳期を乗り切りましょう。

(岡田 乃布彦 / 薬剤師)

Q5

つわりで歯磨きが憂うつなのですが・・・

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妊娠でつわりがひどく、歯ブラシを口に入れるだけで吐き気をもよおします。歯磨きがおっくうになり、最近歯茎が痛むような気がします。つわりでも口の中をきれいにたもつにはどうすればいいですか。また、虫歯になってしまった場合、治療は胎児に影響などありませんか?(福井市、20代女性)

A5

妊娠期は女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が盛んになり、このホルモンを好む細菌が増えたり、歯肉の毛細血管が拡がったりするのに加え、ご質問の様につわりがひどいと歯磨きがままならず、歯肉炎や歯周炎が起こりやすくなります。歯肉(歯茎)が痛むのは、歯肉に炎症が起きたものと思われます。

つわりのひどい時の歯磨きですが、①歯磨き粉の味がだめな方は歯磨き粉をつけずに磨く。②歯ブラシのヘッドを小さいものに変えてみる。③ワンタフトブラシ(毛束が一つの歯ブラシ)や歯と歯の間を磨くデンタルフロスを使用してみる、などの工夫をして、食後にこだわらず調子の良い時間帯に行ってみてください。どうしても歯ブラシを口に入れられない場合には、食事の最後にサラダやリンゴなどの繊維質のものを食べることで、ある程度歯垢をおとすことができます。

妊娠中の歯科治療について原則的に治療を行ってはいけないという時期はありませんが、妊娠初期及び後期は基本的に応急処置のみ行い、安定期とされる中期(5~8カ月)に治療を行うことをお勧めします。

未治療の虫歯があると、口の中で虫歯の原因菌の数が多くなりますが、お母さんの口の中がきれいだと生まれてきた赤ちゃんに虫歯菌が感染しにくくなります。また、重度の歯周病があると早産や低体重児出産を引き起こすリスクが高まるという報告もされています。妊娠が判ったら時機を見てかかりつけの歯科医院を受診し、歯と歯肉の状態をチェックしてもらったら如何でしょうか。

(大野屋 雅寛 / 歯科医師)

Q6

産後、肛門にイボ(痔)ができてしまいました

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産後痔になってしまったようです。肛門から1センチほどの丸いいぼのようなものが出ていて、押し入れても力むとすぐに戻ってしまいます。なかなか病院に行けず市販薬を使っていますが、あまり改善しません。(越前市、20歳代母親)

A6

文面から考えますと痔核(じかく)、簡単に言うと「肛門にできた静脈瘤」と思われます。妊娠中にできたもので、「イボ」のように見えることから「イボ痔」と呼ばれています。肛門周辺は血管が豊富で、その部分の血管がふくらんで大きくなったものを痔核といい、本体は血管のかたまり、すなわち「静脈瘤」です。直腸と肛門の境界より奥の直腸側にできたものを「内痔核」、肛門側にできたものを「外痔核」と分類します。

痔核の場所、大きさ、個数、痛み、出血、脱出の有無などで状況は違い、一度できてしまった痔核は無くなりません。座薬や軟膏を使用しても痔核そのものがなくなることはありません。薬を長期間使用しても根本的な治療にならず、2週間程度使用しても効果がなければ中止してもかまいません。無理に押し込む必要もありません。

小さな症状のない痔核を手術して切除する必要もありませんし、切除後調子が悪くなることもあります。医学的に見た「手術適応」は、あくまで「医学的な目安」であって「患者さんの目安」ではありません。大きな脱肛(肛門の外にできた痔核)があっても、症状がない場合は手術をせずに「痔核とうまく付き合う」事が正解です。逆に、たいして大きくもない痔核でも、痛みや出血がひどい場合には手術や治療が必要な場合があります。医学的に手術が必要であっても、患者さん自身がその手術を必要としていなければする意味がなく、手術をするかどうか決めるのは患者さんの症状自体なのです。

(根上 晃 / 医師)

Q7

ミルクから母乳に切り替えたいのですが・・・

+

出産前から母乳育児に興味があり、母乳で育てようと思っていましたが、産後の体調が良くなかったため生後3カ月の現在、ほとんどミルクの状態です。今から母乳に切り替えることはできるのでしょうか(福井市、20歳代母親)

A7

出産直後は体力が落ちた状態で育児を始めなければなりません。そのため体調不良などで悩むお母さんは多くいらっしゃいます。ご相談のお母さんもとても不安だったと思います。

ご相談いただいた、ミルクから母乳への切り替えについては、状況によって可能であると思います。ただし、直接母乳の回数や乳房の状態がわからないので断言はできません。

現在、母乳に切り替えていくには大きな不安があると思います。お一人で、おっぱいが足りているのかを判断するのは難しいと思われますので、お近くの助産師や病院などの母乳外来で、おっぱいの状態や赤ちゃんのおっぱいの飲み方、体重増加をみていただきながら切り替えていかれる事をお勧めします。そうすることでお母さんの不安も軽くなると思います。

私は病院の母乳外来で乳房マッサージなどをしています。そこでは母乳とミルクの混合栄養から完全母乳に切り替えていくお手伝いもしています。その時には、授乳回数、直母量(おっぱいの一回哺乳量)の測定、赤ちゃんの体重増加やおしっこ・うんちの回数、機嫌などに注意しながら慎重に切り替えていきます。

仮に完全母乳へ切り替えることが出来なかったとしても、混合栄養でおっぱいを吸わせることも十分な母と子のスキンシップになることをお伝えします。お母さんも赤ちゃんも笑顔でいられますようご無理をされず、育児を楽しんでください。

(大迫 恵子 / 助産師)

Q8

妊娠中の体重はどう管理すればいいですか?

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妊娠5カ月で体重が4キロ増えました。私が通う産婦人科ではあまり体重指導がないのですが、他の病院で出産した友人から、体重増加を抑えた方が赤ちゃんにとっても母親にとってもいいと指導されたと聞き、悩んでいます(敦賀市、20歳代母親)

A8

妊娠中はあまり悩まずゆったりと過ごしていただきたいのですが、体重管理は妊娠中の大切なテーマの一つです。でも病院によって体重増加の目安が異なるなど、妊婦さんにとっては疑問がいっぱいだと思います。それならまず自分の体形を知ることから始めてみましょう。なぜならば体重増加の目安は妊娠前の体形によって異なるからです。参考に下記の計算式に妊娠前の身体数値をいれチェックしてみましょう。その数値(BMI=体格指数)が体重増加の目安となります。

ただし、初期はあまり増やさないほうがいいでしょう。初期の赤ちゃんの成長はとてもわずか。本来なら増えなくてもいい時期です。妊婦だからと言って2人分食べるのは昔の話です。例えば標準型の人なら初期はあまり増やさず、中期に3~4kg、後期に4~5kg、多少の増減を考慮して最終的に10kg程度に収めるのがいいでしょう。増加体重にだけ目を向けるのではなく増加ペースも大事です。1週間に500以下を目安にしてみましょう。

☆妊娠前のBMI(体格指数)から自分に合った体重増加をチェックしてみましょう!

・BMIの計算式

 妊娠前の体重( kg)÷[身長( m)×身長( m) =BMI(体格指数)

・体格区分別 妊婦全期間を通しての推奨体重増加量

 

体格区分

推奨体重増加率

やせ型(BMI18.5未満)

9~12㎏

標準型(BMI18.5以上25.0未満)

7~12㎏

肥満型(BMI25.0以上)

個別対応

(梅田 久美子 / 助産師)

Q9

母乳を飲んでくれない場合はどうすればよい?

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5カ月の赤ちゃん(女児)を母乳で育てているのですが、あまり飲んでくれず、飲み残した母乳を私がうまく搾り出すこともできず、乳腺が詰まるようで、乳房に痛みがあります。今は我慢できる痛みですが、これからも母乳を与え続けたいので、今後が心配です。どのように対処したらよいでしょうか。(福井市、30歳代女性)

A9

五ヶ月の赤ちゃんは首が座り、視野も広がり、身の回りのいろんなものに興味を持つ頃です。授乳時にも身近な音や匂い、テレビ等が気になり、集中して授乳することが不可能になることがあります。あなたができることは、赤ちゃんが落ち着いて授乳に集中できるような環境作りを行い、根気よく、イライラせずに授乳させましょう。こうすることで飲み残しの量を減らすことがポイントです。

さて、授乳後に残った母乳を搾乳する方法は、手で直接行う方法と搾乳器を使う方法があります。圧を抜く程度の搾乳なら手で行い、毎日たくさんの量を搾乳する場合は搾乳器を使うと便利です。搾乳をする前に、母乳の出が良くなるように乳管の詰まりがないか確認してか、乳房を下から持ちゆっくり上下左右にマッサージします。お湯で絞ったタオルを乳房にあて温めることも重要です。同じ所ばかり搾っていると、搾れない部分に母乳が残ってしまい、乳腺炎になってしまうこともあるので、360度いろんな角度から搾るといいと思います。

乳腺炎や乳汁うっ滞の原因は乳管の閉塞ですが、乳管閉塞は適切なポジショニング(抱き方、授乳姿勢)、ラッチ・オン(乳頭の吸着や含ませ方、吸い付かせ方)および制限のない授乳で予防可能です。

 いずれにしても焦らずゆっくりと授乳を楽しんで行える環境作りを行い、お母さん自身もバランスの良い食事に心がけましょう。

(根上 晃 / 医師)

Q10

妊娠中の不安をどう克服していけばよい?

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妊娠9カ月で初産を間近に控えています。最近、漠然とした不安を抱えています。出産に伴う苦痛への不安や、健康な赤ちゃんが産まれてくれるのかという不安、赤ちゃんを健康に育てられるのかという不安です。夫に相談してもピンとこない様子です。ほかのママたちはどうやってこのブルーな気持ちを克服しているのでしょうか。(敦賀市、20歳代女性)

A10

妊娠中に、「健康な赤ちゃんが産まれてきてくれるかな」、「出産の痛みに耐えられるかな」と不安になる妊婦さんは多くいます。出産後の生活のことを考え「赤ちゃんを健康に育てられるかな」と不安な気持ちが膨らむこともよく耳にします。

新しい命を育てる大切な妊娠期は、ホルモンバランスが崩れやすく、些細なことでも不安やストレスを感じやすくなります。

妊娠中の不安やストレスは、妊婦さんの誰もが多かれ少なかれ感じるものです。「みんなそうなんだ」、「不安に思うのは自然なことなのだ」と思うと、少し気持ちが楽になるかもしれませんね。

また、ご主人に相談する事は、とても良いことです。ご主人も、初めての体験に戸惑いを感じているのかも知れません。お互いに不安な気持ちを話し、支え合えると良いですね。

赤ちゃんとの対話を楽しむことも、良いと思います。お腹の赤ちゃんと対話ができるのは、ママの特権です。お腹を触りながら、「ママも不安だけど、一緒に頑張ろうね」と声をかけてみてはどうでしょう。

ぜひ、お腹の赤ちゃんとの対話を楽しみながら、残り少ない妊娠期を楽しく過ごして下さい。そのためにも、不安な思いは一人で抱え込まず、ご主人・ご家族の方に話を聴いてもらいましょう。助産師もまた、妊婦さんの不安な気持ちを和らげるお手伝いをさせていただきます。いつでも声をかけて下さい。

(常田 幸枝 / 助産師)

Q11

妊娠中の胃薬服用は、胎児に影響があるのですか?

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最近、妊娠が分かりました。今、妊娠2カ月です。妊娠によるつわりと気付かず、妊娠が判明する最近まで、胃腸の調子が悪いのかと勘違いして市販の胃薬をたびたび服用していました。赤ちゃんに悪影響が出ないか心配しています。不安を解消するにはどうすればよいでしょう。今後、薬の服用について注意すべきことも教えてください。(福井市、30歳代女性)

A11

妊娠がわかると、とても嬉しくて待ち遠しい気持ちになりますね。同時に無事に生まれるまではいろいろと不安なこともあると思います。

妊娠4週から15週ごろまでは赤ちゃんの中枢神経、心臓、消化器、四肢などの器官が形成される時期です。この時期の薬の服用は特に注意が必要と言われています。とはいえ、妊娠がわかる前に飲んでしまった風邪薬や胃薬で赤ちゃんへ影響を与えてしまう薬の種類はごくわずかです。

今回ご質問の市販の胃薬ですが、胃薬には、制酸剤、健胃剤、消化剤、胃粘膜保護剤、漢方製剤、およびこれらの成分の配合剤など多くの製品があります。具体的な商品名はわかりませんが、吐き気やむかつきに効能がある胃薬を服用されたのではと思われます。用法や用量を守って短期間服用したのであれば、大きな心配はないと思います。商品を購入された薬局や福井県薬剤師会薬事情報センターに問い合わせていただければなお安心できますね。

今後病気にかかった場合、薬を服用することによるデメリットよりも服用しなかった場合のリスクの方が高いと判断される時には、母体と赤ちゃんを守るために薬が処方されることもあるかと思います。薬の影響が心配だからといって勝手に服用を中止しないで、不安がある時は、医師や薬剤師に相談して下さい。

これからまだ暑い日が続きますが、赤ちゃんに会える日を楽しみにお体に気を付けてお過ごし下さい。

(坂口 裕子 / 薬剤師)

Q12

つわりで歯磨きがつらい時はどうすれば?

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妊娠4カ月です。最近つわりがひどく、歯磨き中におえつを繰り返して十分に歯が磨けません。妊娠中に歯のケアを怠ると、どんな悪影響があるのでしょう。つわりがひどくても上手に歯磨きができる方法はないでしょうか。(越前市、20代女性)

A12

つわりがひどいと歯ブラシを口に入れただけでもつらく、歯磨きが難しくなりますね。

 妊娠すると、「赤ちゃんにカルシウムが取られ、お母さんの歯がもろくなる」と言われていますが、これは誤りです。赤ちゃんの成長に必要なカルシウムは歯から溶け出しているわけではありません。とはいえ、妊娠中に虫歯や歯周病になりやすいのは事実です。

 妊娠すると女性ホルモンが増えますが、歯周病菌のなかには女性ホルモンを栄養源にできるものがいて、歯ぐきが腫れやすくなります。つわりによって十分に歯磨きができないと、さらに歯周病が悪化します。また、一度にたくさん食べられなくて食事の回数が増えると虫歯になりやすく、口が粘つくなど唾液の量が減った状態だと口の中が酸性に傾いて歯が溶けやすくなります。

 妊娠中に虫歯や歯周病にならないためには、毎日の口腔ケアを念入りに行う必要がありますが、妊娠前のようにはいかない場合も多いでしょう。つわりで歯を磨くのがつらい時は、ヘッドの小さな歯ブラシを使う、歯磨剤を匂いや刺激の少ないものに変える、歯磨剤なしでブラッシングする、やや前かがみになって掻き出すように磨くなど、少しでも不快感を軽減する工夫をするとよいでしょう。歯磨きは食べた後が理想的ですが、食後がつらいなら、体調の良い時やリラックスできるお風呂の時間なども利用してみて下さい。どうしても歯磨きができない時はうがいだけでもして、キシリトール入りのガムを噛んでみるのもいいですね。

(高井 三和 / 歯科医師)

Q13

母乳の出をよくするにはどうすればよい?

+

この夏、第1子が産まれました。母乳で育てたいのですが、どうすれば母乳がよく出るようになるでしょうか。同居している夫の両親は餅(もち)を食べると母乳がよく出ると言いますが、最近では餅は乳腺が詰まりやすいから避けた方がいいという話が多いような気がします。私たちの両親世代と今の時代で育児の仕方が違うようで戸惑います。(福井市、20歳代母親)

A13

ご出産おめでとうございます。母乳は、赤ちゃんとお母さんに、たくさんのよい効果があることはよく知られています。母乳で育てたいというお気持ち、とてもすばらしいことですね。

母乳の出をよくするには、授乳回数を1日に8回以上にして、赤ちゃんにしっかり母乳を飲んでもらうことです。母乳を飲んでもらうと、次の母乳が作られるようなしくみになっています。搾乳も同じ効果がありますので、時間に余裕があれば1日に何回か搾乳を行うのもよいでしょう。また、お母さんがリラックスした穏やかな気持ちでいることも大切です。疲労や心配事、強いストレスなどがあると母乳が出にくくなることもありますので、休息をとる、誰かに話を聞いてもらうなどして過ごしましょう。

餅を食べると母乳がよく出るようになるとの言い伝えがありますが、その理由は明らかではなく、効果についても科学的に証明はされていません。また、餅など特定の食べ物が乳房トラブルの原因になるという情報もありますが、科学的な根拠がないことがわかっています。母乳育児をするのに食べてはいけないものはなく、乳房トラブルを心配して食べ物を制限したり、我慢したりする必要はないといえます。お母さんが元気で健康的に過ごすことが、赤ちゃんの健やかな成長にもつながります。そのためにも、バランスのとれた質のよい食事をとることを心がけたいですね

(松井 恵美子 /助産師)

Q14

兄弟は、いた方がいいですか?

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不妊の末に授かった長女が6歳になり、4月から年長組です。ですが保育園ではきょうだいがいる子がほとんどで、お迎えの際、ある子のおばあさんから「きょうだいがいたほうがいい」と言われてしまいました。一人っ子ではだめなのでしょうか?(越前市・40歳代母親)

A14

子どもは天からの授かりものです。不妊治療を受けても子宝に恵まれない方もおられる中で、お子さんは選ばれて産まれてきました。出産時、大変感動されたのではないでしょうか。そのお子さんももう年長組で、子育ての大変さの中にも喜びを感じていらっしゃる事と思います。

一人っ子で悩んでおられる様ですが、人は皆、一人で産まれてきます。きょうだいが多くても少なくても、困難に出会った時は、一人で乗り越えなくてはなりません。兄弟が多いほうがいいと言う一方で、一人っ子政策の国もあります。大事な事は、子どもが活き活きと自信を持って自分の人生を切り開いていく事です。

家庭では、確かに一人なので困る事は少ないでしょうが、待ったり、分けたり、約束を守ったり、責任を持ったり等は当たり前に身につく様にしましょう。子どもは、家族の愛情を食べて、大きく受け止めてもらえたら、どんなに幸せでしょうか。

集団での子ども達は、毎日泣いたり笑ったり様々な問題にぶつかって、困って悩んで学んで解決しての繰り返しです。一人っ子のお子さんもそんな中にいて、切磋琢磨して力をつけています。人は一人では生きていけません。お互いに助け合い、支え合っています。友達関係を築いて共に育ち合い、成功の体験も失敗の体験も沢山して、自ら考え行動する力を培って、強く優しく心豊かに成長して欲しいと思います。

(山口 桂子 / 保育士)