【たっちいパパの子育て塾】育休は家族支える時間
▲育休は男性が父親として成長できる機会でもある
役割に気づき有意義に
2019年度の男性の育休取得率(速報値)は7・48%と厚生労働省から発表されました。ちなみに福井県の男性の育休取得率は、5・5%と18年度のデータが出ています。毎年増えてきていますが、まだまだ少ないというのが実情のようです。
実は、私も育休経験者です。第3子が生まれた17年の保育士時代に8カ月間の育休を取得しました。当時は子育てと家事の両立に必死でしたが、育休期間中は子どもたちや家族と過ごす時間が増えて充実した毎日を過ごすことができました。「もう一度、育休を取得したいか?」と聞かれれば、「もちろん!」と即答しますし、この答えを子どもたちも家族も大歓迎してくれることでしょう。
しかし、8カ月の育休期間は、生まれてきたわが子が泣いたときに抱っこしても全然泣きやんでくれず、寝かしつけようとすると泣かれる始末。今では「今日はパパと寝る」と言ってくれますが、当時は苦戦の連続でした。保育士だったこともあって「授乳以外は男性でもできる」と張り切っていたのに、子育てと言うよりは、だんだんと家事や妻の身の回りのことをすることが多くなり、思い描いていた姿とのギャップに戸惑いを感じていました。
そんな時、妻から「あなたが家事や私の身の回りのことをしてくれるから、私は生まれてきた子どもの世話に専念できるんだよ。いつもありがとう」と言われ、モヤモヤした戸惑いがパッと晴れました。生まれてきた子どもの世話も大切だけど、家族が快適に生活できるよう、子育てや家事に取り組んで環境を整えることこそが、育休中の自分にできる一番大切な役割だと気づいた瞬間でした。
それからは家族を陰から支える縁の下の力持ちとして過ごすことで、育休を有意義で楽しい時間にすることができました。
育休は楽しいことばかりではありませんが、男性が父親として成長できる機会が多くあります。短い期間でも育休を取得して家族とのかけがえのない時間を楽しむ男性と、幸せな家族が増えることを願っています。
(坂井市・NPO法人おっとふぁーざー代表理事/舘直宏)
NPO法人おっとふぁーざー
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