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【もっとふく育県⑦】整理収納アドバイザーに聞く!「ストレスフリーな片付け」のコツ<アドバイス編>

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おもちゃや服が散らかった部屋を見て途方にくれたり、「片付けなさい」と怒ってイライラしてしまったり、小さな子どもとの生活は片付けの悩みが絶えません。第6回、第7回の「もっとふく育県」のテーマは「ストレスフリーな片付け」です。県内で親・子の片づけマスターインストラクターとして片付けサポートを行っている村田さんに整理収納のポイントを聞きます。
第6回はアドバイス編として、小さい子どもがいる家庭の片付けのコツや、収納時に心がけるべき具体的なポイントを教えていただきました。
【→後編の「ストレスフリーな片付け」<実践編>はこちらから

取材ライター:虎尾ありあ
坂井市在住のフリーライター/3歳・5歳の2児の母。「福井の子育てをさらに良くしたい」とやりがいや使命感を持ち、多方面で活躍している方の想いを届けていきます。思いに共感したり、活動に興味を持ったりした方はぜひアクションを起こしていただけるとうれしいです。

「ストレスフリーな片付け」の3つのコツ】

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保育園や学校のカバン、おもちゃ、絵本、服で溢れるリビング。「何度も注意をしていては親も子も疲れてしまうし、散らかった部屋で過ごすのはストレスが溜まる」そんなおかたづけに悩む親を代表して、整理収納アドバイザーの村田さんに片付けの心構えを聞きました。

ここではストレスフリーに片付けるためのコツを3つ紹介します。

「生活の導線」を子どもと一緒にシミュレーションする

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片付けがスムーズにできるかどうかの要は「生活導線」にあります。子どもの生活の導線を把握して、その導線に合わせて収納場所を決めることが重要です。たとえば、親が一方的にランドセルや制服・体操服の置き場所を決めて「ここに片付けようね」と言っても、なかなかうまくいきません。

収納場所を決める際には、子どもとシミュレーションをしながら一緒に場所や方法を決めるのがおすすめです。小学生の場合は、玄関から家に入って、部屋で過ごすまでの導線を一緒に話し合ってみると良いです。そうすることで、片付けをする子ども本人の目線で「ここに置きやすい」「ここならすぐに片付けられる」という意見を取り入れた現実的な片付けプランができます。玄関からリビング、リビングから脱衣所、など生活の導線を一緒になぞってみると良いでしょう。

部屋を「学習」「遊び」「着替え」でゾーン分けする

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多くの家庭では、小学校低学年くらいまでの子どもの生活圏内はリビングが中心になります。そのためリビングや、リビングに併設するダイニングや和室などのスペースには多くのモノが集まります。

整理収納場所を決める際におすすめの方法がリビングを「学習」「遊び」「着替え」の3つのゾーンに分ける方法です。部屋の中で子どもがどこでどうやって過ごすかを観察して、おおまかなゾーン分けをして、ゾーン内に収納場所を作ることで片付けやすく整頓しやすくなります。

たとえば、ダイニングテーブルで宿題をするのであればテーブルの周りに筆記具を置く、和室で着替えるのであれば和室に下着や服をしまう、ソファーで本を読むならその近くに本棚を置く、などです。ゾーンごとに分けて収納することで、モノ同士が混ざらず、部屋全体が散らかるのを防げます。また、出し入れがしやすいので、読書や学習習慣が身に付きやすくなる効果も期待できます。

母親ひとりでがんばりすぎない

「きちんと整理したい」「片付けの習慣を子どもに身につけてもらいたい」という気持ちはどんな親にも共通です。ただ、最初から意気込んで、片付け方法や収納場所を親主導で進めると、家族が置き去りになってうまく進まなかったり、余計にストレスが溜まってしまうケースがあります。始めから全てを整えようとせず、片付けられない原因を探ってみたり、家族の生活を観察してみたり、親子で話し合ってみたり、1人で「がんばりすぎない」ことも大切なポイントです。

とくに1年生で入学したばかりの時期や、園や学校の新学期が始まったころは、子どもたちはクラスや新しい生活に慣れるのに精いっぱい。家の外で緊張して過ごし、帰ってくるころには疲れヘトヘトで片付けどころじゃない日もあります。まずは子どもたちのがんばりをしっかり褒め、多少部屋が乱れていたとしても、親子で穏やかに過ごす時間を大切にするのがストレスフリーに過ごすコツかもしれません。

「脱めんどくさい」を実現する片付けのポイント3選

細かく分けすぎない「ざっくり仕分け」

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ブロックを色ごとに分けたり、おもちゃを細かくカテゴリー分けしてラベリングしたりするのは多くの子どもにとって「めんどくさい」作業になります。そこで、「ブロックはこの箱、プラレールはこのケース」と決めたり、兄弟姉妹でそれぞれ箱を用意したりする「ざっくり仕分け」で、まずは遊んだおもちゃを戻す習慣付けを重視するのがおすすめです。

「ざっくり仕分け」で片づけているうちに、子どものこだわりが芽生えて「ブロックのパーツごとに片付けたい」「おりがみの大きさを分けたい」などの声があがるようになったら、そのときに分けられるように手を貸すのが理想的です。

とにかく動作を減らす「ぽいぽい形式」

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扉を開ける、蓋を閉めるなどの片付けるまでのワンクッションの動作も子どもにとって「めんどくさい」作業です。見た目を重視すると、どうしても蓋や扉があるケースを選びがちですが、子どもが小さければ小さいほど見た目にこだわると片付けにくくなってしまいます。

蓋のないケースや、扉のない収納棚におもちゃを投げ込むように片付ける「ぽいぽい形式」であれば、収納するための動作が少なくなって結果的にスムーズに片付けられるようになります。とにかく動作を減らして、シンプルに、これがストレスフリーの片付けのポイントです。

遠い・届かないをとことん排除「がんばらせない収納」

「収納場所が遠い」「片付ける場所に簡単に手が届かない」は大人にとって気が付きにくいポイントですが、これも子どもにとっての「めんどくさい」を助長してしまいます。「場所が遠いと力尽きる、手が届かないと諦める」と村田さんは冗談交じりに教えてくれました。

ストレスのない整理収納の極意は自分や家族を「がんばらせない」こと。すぐ手が届くところに片づけられるのがベストです。また、一度収納場所を決めたら、そのやり方をずっと続けるのではなく、思うように片付いていない箇所を部分的に見直したり、子どもの成長過程やライフスタイルの変化に合わせて、都度良い方法を模索したりすることも重要です。

「片付け」は生きる力を育むツール

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最後に、数々の家庭の片付けをサポートしてきた村田さんに、親子で気持ちよく片付けに向き合うための考え方を教えてもらいました。

「片付けは生きていく力を育てる重要なツールです。家族が家の中でどんな風に過ごしているか見つめ直すきっかけになりますし、子どもと一緒に収納場所や方法を考えることで、『この場所に棚があった方が片付けやすい』『このおもちゃはもう使わない』などの自発的な考えを促すチャンスにもなります。

SNSで整理された部屋の写真を見て『我が家も整頓しなきゃ!』と思ってそのまま実践すると、自分の家族に合わず疲れやイライラの原因になってしまうかもしれません。肩の力を抜いて、できるだけ省エネルギーで片付けることを念頭に置いて考えると、それぞれの家庭にあったベストな方法が見つかるはずです」(村田さん)

第7回では、実際に5歳3歳の子どもがいるわが家の押入れの「片付けサポート」をしてもらったときの様子をレポートします。ぜひこちらも併せてチェックしてください。