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【もっとふく育県⑨】「育休中どう過ごす?」キャリアコンサルタントがママの悩みにお応え

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今回のテーマは「育休中どう過ごす?」。共働きが多い福井県では育休を取得して一定期間後に職場復帰をする女性が多いです。休業中は産まれたばかりの我が子に向き合いながら、おのずと先の働き方を考える機会が増えます。
今回は子育てをしながら働く女性のキャリア相談に応えてきたキャリアコンサルタントの宮下さんに、育休中に多い悩みや悩みに対するアドバイスを聞きました。

取材ライター:虎尾ありあ
坂井市在住のフリーライター/3歳・5歳の2児の母。「福井の子育てをさらに良くしたい」とやりがいや使命感を持ち、多方面で活躍している方の想いを届けていきます。思いに共感したり、活動に興味を持ったりした方はぜひアクションを起こしていただけるとうれしいです。

「育休期間をどう過ごす?」働くママたちの悩み

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自身も2回の育休を経験しているキャリアコンサルタントの宮下さんは、200名以上の女性のキャリア相談を受けてきました。数ある悩みの中でも多いのが育休や復帰前後の働き方に関する声だといいます。宮下さんに多くの女性に共通する悩みや、復帰前後の過ごし方アドバイスを聞きました。

休んでいる間の時間を有効に使いたい

「育児の合間の時間を有効に使いたいと、勉強を始めたり資格を取得したりする女性が増えています。復帰後の仕事に活かせる資格(簿記、ファイナンシャルプランナー、パソコンスキル)や、手に職がつけられるWEB系の資格(デザイン、ライティング、動画編集)の資格が人気です」(以下「」内、宮下さん)

育休中の時間を有効に使いたいと考えるのは、復帰後はスキルアップのための時間が取りにくくなるからという理由が考えられます。ライフステージが変わっても安定して収入を得て、働き方を柔軟に選択したいという女性たちの考えが読み取れます。

働き方の選択肢が増えて悩みも多様になった

「コロナ禍以降、在宅勤務・リモートで働く風潮や制度が見られるようになり、働き方の選択肢が増えました。それ以前の職場復帰はフルタイムか時短勤務かの2択だったことを踏まえると、復帰後の働き方にもバリエーションが出てきました」

自社にはどんな選択肢があるか、どの形態が働きやすいか、会社からの評価はどうなるか、など悩みも多様化しています。また、昨今は男性育休や家事代行サービスも一般的になりつつあります。今後の傾向としては、これらを活用したうえでどう働くかをシミュレーションするのが一般的になるでしょう。

職場にモデルになる先輩が少ない

「職場に自分と似たような復帰経験がある先輩社員が少なく、モデルケースをイメージしにくいという声もあがっています」

先にも述べた通り、働き方の選択肢が増えたり、男性育休や家事代行が普及したりした時期はここ4〜5年です。家族や職場としっかりコミュニケーションを取りながら、そのときどきで自分に合った道を選んでいく柔軟な姿勢が働き続けるカギになりそうです。

職場復帰前後におさえておきたい3つのポイント

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ここからは職場復帰前後の準備編として押さえておきたいポイントを紹介します。

困ったときの対応を家族間で話し合っておく

「園に入ったばかりのころは、風邪や感染症など想像以上に欠席が多くなります。事前の準備として、子どもが園に行けない日に頼れる先を可能な限りたくさん持っておくことが大切です。

親族が近くに住んでいるのであれば、事前にお願いできるかどうか確認しておきましょう。最寄りの病児保育をチェックして、利用手続きを済ませておくとスムーズです。

職場に罪悪感を持ちすぎない

「復帰後に家族のケアで仕事を休むのは仕方がないこと。罪悪感を持ちすぎないようにしましょう。出社できるときに最大限を尽くす気持ちで働くことが大切です」

コロナ禍を経て、企業側でも誰かが休んでも支障が出ないように体制を整える意識が広まっています。状況に合わせてリモート勤務に切り替えられたり、分単位で有給が取得できたり、子どもの看病に関する福利厚生があったりする場合もあるので、事前にしっかり確認しておくのがおすすめです。

公共サービスをチェックしておく

「家事サポート、シルバー人材センター、ふく育さんなど、福井県内には公共の育児支援サービスが充実しています。県からの補助で手頃な料金で利用できるので、そういったサービスも活用しながら、上手く家事を回していきましょう」

福井県の公共サービスに関しては、下記の記事でくわしく紹介していますのでぜひ参考にしてください。

【もっとふく育県③】心軽やかに育児と向き合うために|坂井市子育て世代包括支援センター

【もっとふく育県④】家事の救世主!生活支援を利用してみました|すみずみ子育てサポート事業

育児期間を健やかに過ごすためのアドバイス

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キャリアコンサルタントとして多くの女性の相談を受けてきた宮下さんに、育児期間を健やかに過ごすためのアドバイスをいただきました。

自分の感情を後回しにしない

仕事や家事や育児など日々膨大なタスクをこなしていると「やらなきゃいけない」という使命感が強くなるあまり、自分の感情を後回しにしてしまいがちです。

「子どもや夫、職場の人やお客様などいつも自分以外の誰かのために動いていると、いつの間にか『自分はなにがしたいんだっけ?』と、自分の感情がわからなくなってしまうことがあります。自分の感情を抑えてがんばってきた人ほど、いざ、子育てが落ち着いたときに『わたしは』と自分を主語にして話すのが難しくなるケースもあります。

つらい気持ちのときは『ママ、ちょっと疲れたから少し休むね』と言って自分の感情を素直に家族に伝えられると良いですね」
家族に話しにくい場合は、ありのままで話せる友人や知人などとの時間を持ったり、紙に気持ちを書き出して整理したり、素直でいられる場所を自分で持っておきましょう。

物理的に1人の時間を確保する

「美容室や映画に行くのはもちろん、1人になって自分のペースで歩いたり、大人と話をしたりするだけで、気持ちがリセットできるもの。両親に預けたり、託児サービス(一時預かり、ふく育さん)を使用するなどして物理的に1人の時間を確保することは自分のメンテナンスであり、家族が笑顔で生活し続けるために必要な時間でもあります」

買い物をしたり、友人と会ったり、カフェに行ったり、1人の時間を定期的に取ってリフレッシュしながら、子育てと向き合っていきたいですね。

大変だからこそ輝く、子育て期間を楽しんで

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宮下さんは自身の育児経験を振り返りながら、働く福井の女性にメッセージを送ってくれました。

「育休やその前後の時期は、体力があって働き盛りと呼ばれる時期。子育ても仕事も全力で取り組むのは大変ですが、エネルギーが濃縮された輝く時間です。自分のことも家族のことも考えて、悩みながら仕事を続けてきた経験は、振り返ったときに人生の支えになると思います。そんな時期だからこそ、自分を押し殺してがんばるのではなく、育児も仕事もどちらも楽しんで、貴重な今の時期を過ごしてほしいです」

毎日バタバタと過ごしていると「大変さ」に目が向きがちですが、気力と体力をフル動員して子どもに向き合う日々は、間違いなく「輝く」時間。自分と家族のベストを模索しながら、この先も続く「大変だけど輝く」時間を歩んでいきたいと感じました。